不動産専門ファイナンシャルプランナー
沖縄の相続相談窓口の友利です。

ちょっとペース落ちてますが、今後もしっかりブログ更新していきますので、
どうぞよろしくお願いします。

今日は最近無事に終わりました案件のお話です。

地主さんの相談内容

 

弊社でコンサルに入っているお客様(Aさん)から、借地契約についての相談。内容は以下の通りでした。

工場を営む身内(Bさん)と平成7年に直接交わした土地賃貸借契約。土地の上にはBさんが経営する工場(名義もBさん)が建設されてます。
契約から20年が経ち、土地の価格の上昇とともに固定資産税の負担も大きくなっていることから、これまで一度も値上げしていなかった借地料の値上げをしたい。
また、今後息子の代に引き継ぐために売却することも検討しているが、契約はいつまで続くのかよくわからない。

まずは現在の借地料と、借地として提供している土地の固定資産税を比較しました。
確かに固定資産税の額と借地料がアンバランスになっており、借地料値上げの余地がありそうです。

そこでまずはご挨拶も兼ねて、Bさんとコンタクトを取ることにしました。

賃借人さんにアポなし訪問

 

まずはお電話で、Aさんの使いの者であることと、借地料の見直しの相談について簡単にお話しました。
多分かなり不審がられたと思います。その後電話が繋がらなくなりました。笑

アポなしにはなってしまいましたが、とりあえずBさんの工場に出向いて行きました。
事務所にお邪魔すると、社長さん(Bさん)とお会いすることができました。
お電話した者です、と伝えると「怖い人が来ると思ってびびってたさー」と笑ってました。笑
Bさんは業績も順調で、このままここで工場を経営したいという希望を持っていらっしゃいます。

実はこの借地契約の契約書について、Aさんからは「契約書なしの口約束だよー」と聞いていましたが、Bさんが契約書をしっかり所有されてることが判明!よかったー!
とりあえず写メさせてもらい、この日はおいとましました。

人物像はイメージです。笑

 

賃貸借契約書から読み取れること

 

まずは写真を撮らせてもらった賃貸借契約書の内容を確認しました。
今回、Aさん側で気になるポイントは

  1. 賃貸借期間について
  2. 借地料の値上げについて
  3. 契約終了時の建物買取請求について

の3点となります。

1.賃貸借契約の期間について

まず、賃貸借期間についてですが、契約書では「3年ごとの更新」と設定されていました。
しかし、平成4年8月1日以降に締結された建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約期間は最短30年と決められており、
それより短い期間で設定されていても全て締結から30年契約となります。

土地の賃貸借契約(借地契約)は30年以上となる
(平成4年8月1日以降締結で建物所有目的の場合)

ですので、この賃貸借契約は平成37年末で一旦終了の予定であり、更新は双方の合意がない限り難しくなります。

2.借地料の値上げについて

今回の契約書内にて下記の通り、借地料についての条文がしっかり記載されていました。

ただし、その賃料が経済事情の変動、公租公課の増額、近隣の賃料との比較等により不相当となったときは、賃貸人は、契約期間中であっても賃料の増額の請求をすることができるものとする

今回の借地料の値上げは上の「公租公課の増額」「近隣の賃料との比較等により不相当」に当たるので、こちらを根拠に交渉することが可能となります。

3.建物の買取請求について

借地契約の場合、契約終了後に残存する建物の取り扱いについて明記されているものが多く、借主側に沿った内容だと契約終了後に地主さんに建物を時価などで買い取ってもらう「建物買取請求権」を決めているものもあり、地主さんにとっては大きな負担となります。
今回の賃貸借契約には、建物買取請求についての条文がなく、契約終了後の建物の取り扱いについては協議の余地があることでひとまず安心することができました。

 

借地料交渉の結果

 

上記を踏まえ、AさんBさんに契約内容について説明し、借地料値上げの額を提示し、双方納得した額で借地料の値上げ交渉が成立しました。
本来であれば借地料の値上げ案件は揉めることが多く、長期の交渉が必須となりますが、できるだけ穏便に早く交渉が成立できて本当によかったです。

 

交渉成功のポイント

 

ちなみに、今回の交渉で私がとても気をつけたポイントは

  • 適正な借地料の計算を、固定資産税や近隣の価格などをもとにしっかりおこない、双方に提示した
  • 契約内容を確認し、わかりやすく丁寧に説明した
  • Bさんのお話をしっかり聞いた
  • 双方の要望をそのまま伝えるのではなく、心象を害さないよう柔らかく伝えた

となります。

特に太字の4番目をすごく気をつけました。
身内間での契約の場合は、お互い思うところがあっても今後のお付き合いなどが気になり、なかなか伝えられないことが多いようです。
その間に入る者(今回は私)がお互いの要望をダイレクトに伝えてしまい、まとまるものもまとまらなくなるのは本末転倒です。
どんな強烈な要望でも、しっかりその気持ちの裏や根拠を掴み、時には情報を小出しにしながら、気持ちを誤解されないように丁寧に伝えることが、揉めない交渉の一番大事なポイントとなります。

今回の交渉時にAさんBさん双方からいただいたお菓子など。Bさんからお礼を言われたのが一番嬉しかった。ありがとうございます。

今回の交渉は、私にとってもとても勉強になりました。
今後もこんな感じで、お客様の不動産と関わっていきたいです。