不動産専門のファイナンシャルプランナー
沖縄の相続相談窓口の友利です。

最近ご相談増えてます!
しっかり勉強して得た知識がお客様のお役に立てることが嬉しくて、ニンマリしております。

家族の行方不明で土地の名義変更はどうなる?

ご相談者のCさんには、自身とAさんを含む4人の兄弟姉妹(DE)がいます。
Cさんのご実家は両親が亡くなったあと、長男であるAさんの名義に変更されましたが、その数年後にAさんは行方不明になってしまいました。
Aさんを探すために、これまで住民票を取り寄せてみたり警察に捜索願を出したりしましたが、息子であるB君にさえも何も連絡がなく10年以上が経過しました。

実家の名義は行方不明になったAさん

固定資産税や修繕費、放置されたお仏壇の管理などご実家の維持費はCさん達兄弟姉妹で出し合っていました。
しかし今後を考えた時、Cさん達も高齢になってきていますし、これまで支出した費用の回収も早めにしたいとのことから、この実家土地を売却できないか?と考えています。

家族が行方不明で困ることとは

行方不明者がいると困ること

家族が行方不明者で2大困ることといえば。。。

  • 離婚ができない=別の人と結婚ができない
  • 不動産の名義変更ができない=売買ができない

となります。

今回のCさんの場合、ご実家を建て替えするにも、売却するにも、名義人であるAさんの同意が必要となり、現状では何もできません
息子であるB君は、Aさんが亡くなり相続が起こったとしても「相続放棄をする」と宣言しており、費用負担を求めるどころではありません。

せめて実家の土地建物をAさんから他の方に名義変更できれば、売却などで現金化し、これまでの費用を回収することが可能になるのに。。

そんな時に使える制度が「失踪宣告」の手続きとなります。

行方不明から失踪宣告まで

失踪宣告とは

失踪宣告とは、行方が分からなくなった者を、家庭裁判所などが一定期間を設けて捜索し、それでも見つからない場合に書類上「死亡扱い」とすることで、様々な手続きをスムーズにできる制度です。

これにより、不動産は通常の「相続」として名義変更の手続きを行うことができ、名義変更ののちには売却することも可能となります。

失踪宣告手続きの流れ

失踪宣告の手続きは、家庭裁判所にて行います。

申し立てができるのは、行方不明者の家族や利害関係者となります。今回の場合は息子であるB君から申し立てするのが妥当でしょう。
申し立てにより家庭裁判所が公報などで行方不明者を捜索し、見つからない場合には「失踪宣告の確定」が行われ、その後市町村役場で手続きすることで、書類上死亡したと同様に取り扱われます。

ちなみに、行方不明者が被保険者の生命保険があれば、失踪宣告の手続きを経ることで生命保険金の受け取りも可能となります。

失踪宣告手続きの流れ
費用も大きくはかからず、半年程度で通常の「相続手続き」に移れます

借金など負の財産の相続に注意!

失踪宣告が確定し、市町村などで戸籍上死亡扱いになることで、通常の「相続」が発生したことと同じになります。
この場合、負の財産である借金なども土地建物と同じく相続されますので、そのようなものがないか確認することはとても大事になります。

失踪宣告の後に生存が確認された場合は

失踪宣告確定した数年後に行方不明者の生存が確認された場合、宣告後にされた法律行為は宣告前の状態に戻ることになります。
例えば、失踪宣告確定後に他の方と結婚された場合には、行方不明者と婚姻状態に戻るため、新しい方との結婚は無効となります。

しかし今回のように不動産を売却してしまった場合には、相続人や購入した方が生存していたことを全く知らなかった場合のみ、その不動産売却は有効となります。

世の中にはふらっといなくなる方もいて、普通の生活には影響がなくても、相続などの場合にはその存在があるだけで色んな手続きが滞ってしまうことがあります。相続が発生してから失踪宣告の手続きをしたとしても、確定まで半年はかかることから、相続税の納税や遺産分割協議にスケジュールに大きな影響を与えてしまいます。

もしあなたの家族に行方不明者がいる場合、相続の発生が想定されるのであれば早めに手続きを行うことをお勧めいたします。